2019/3/29
前回、僕がやっていた「Stolen Notes」というバンドの活動休止までを書いた。
このバンドの後、すぐに「積み木」の結成に向けて動き始めたわけではない。バンドを続けたいという思いはあったが、どう始めれば良いのかわからなかった。
就職してからの数年間、僕は仕事に燃えていた。しかし、達成感はあってもワクワクしない日々が続き、やがてストレスに支配されるようになる。
いま考えればその理由はアウトプットの欠如である。
そんななか、たまたまN’夙川BOYSの「物語はちと?不安定」のPVを見た。
酔っていたせいもあるのだろう、なぜだか涙があふれ、泣き笑い状態に。抑えていた感情がはじけた瞬間であった。
すると「バンドを組もう!」という熱い思いが湧き上がり、立ち上げるための方策を考え始める。
だが、バンドを組もうにも僕は楽器がほぼ弾けない。高校の友人としかバンドを組んだことがなく、メンバーの探し方がわからない。こんな状況だった。
もちろん、「Stolen Notes」の中心メンバーであった友人に声をかけることもできた。
しかし、その友人は音楽の道に進んだため、彼を誘うのは筋違いだろうという思いがあった。
ちなみに、彼は現在独立して作曲家として活躍している。大したものだ。
メンバー探しでまず思いついたのは、「Stolen Notes」と同様に作曲者を探し、その人と一緒に曲を作るということだ。
ただ、仮に見つかったとしても、曲のイメージを口頭で伝えながらの作曲は相当難しいと感じた。
何しろ当時26歳ぐらいだ。その年で出会った人とそのような信頼関係を築くまでにどのぐらいの時間がかかるのか…。
悩みに悩んだ末、それならいっそ自分で曲を作るしかないというシンプルな結論にいたり、ギターを始めることを決意する。
その話を元メンバーの友人にしたところ、幸運にもギターを貸してくれることになった。そこからコピー曲を数曲練習したがすぐに飽き、オリジナル曲の作曲を開始する。
当然、自分のギターはすぐに欲しくなった。楽器屋で試し弾きを繰り返して数か月後、僕はクリスマスに新宿の島村楽器で「History」のストラトタイプを購入した。
高い買い物であったが、はじめて自分のギターを手にした喜びは大きく、そこからメンバー探しに奔走することになる。
その後メンバーをどのように探し、現在にいたるのかはまた別の機会に書きたいと思う(その話は長くなりそうだ…)。
途中だいぶはしょったが、こうして僕は26歳という遅咲きでギターを始めた。
いまだにちゃんと弾けないが、素晴らしいメンバーに支えられながら「積み木」というバンドを楽しんでいる。
蔵枡卓史
Vocal, Guitar