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アフロビート(Afrobeat)という音楽をご存じだろうか? 

ハマる人はハマるが、多くの人にとっては一生縁のないジャンルである。


これから不定期で、僕が影響を受けてきた音楽を書いていこうと思う。


僕はパンクなどの「ロック」で音楽に目覚め、「ヒップホップ」や「ファンク」などを聞くようになった。


その後、アフロビートやハイライフなどの「アフリカ音楽」、スカやルーツ・レゲエ、ダブなどの「ジャマイカ音楽」、ソンやサルサなどの「ラテン音楽」などにハマった。


今もこうしたワールドミュージックにぞっこんである。

このなかでも「アフロビート」は、僕の音楽人生にとって「転向」と言っていいほど影響を受けた音楽だ。


アフロビートは、フェラ・クティ(Fela Kuti:1938~1997)というナイジェリア人の天才によって作られた。


フェラは19歳で渡英して音楽を学び、ジャズに魅了される。その後試行錯誤のうえ、たどり着いた自身の音楽スタイルを「アフロビート」と名づけた。


彼は自身のバンド「Fela Kuti & the Africa’70(Egypt’80)」でサックス、ピアノ、ボーカルを担当する。

ちなみに、同バンドで途中まで在籍するトニー・アレン(Tony Allen:1940~)は、僕が世界一好きなドラマーだ。


さて、誤解を恐れずにざっくりと言えば、アフロビートの特徴は「アフリカのリズム×ジャズ・ファンク」である。


僕は元々パンクロック畑だが、ブラックミュージックに興味をもってファンクなどを聞き始めた。


ただ、いかんせんパンク上がりだ。ファンクなどは最高の音楽だが僕にとっては静かめの印象で、もっと激しい音楽を求めていた。


そんななか、フェラ・クティの「Zombie」(1976年)という曲を聞いた。


サックスやギターのパーカッシブなプレイ、ドラムやパーカッションの細かく複合的なリズム、力強い歌声と歌唱法、そのすべてに圧倒された。


この曲は約12分あるが、そのリズムの心地良さや曲の構成からするりと体に染みわたった。


今まで聞いたことのない音楽に僕は魅了された。「追い求めていたのはこれだ!」と心底思ったほどだ。


そんなとき、フェラ・クティのアルバム46枚が収録されたBOXセットが発売されていることを知る(しかも1万円ぐらいで!)。

「なんじゃこら!」と、僕は速攻で購入を決意した。以来ずっと聞いているが、素晴らしい曲ばかりだ。


ちなみに、「Black President(黒い大統領)」という異名をもつフェラ・クティの生き様や音楽哲学はとても面白い。文字通り「戦う音楽家」だ。


興味がある人は、「フェラ・クティ自伝」(2013年)などの本もどうぞ。

話をもとに戻そう。


僕はアフロビートに傾倒した後、その他のアフリカ音楽、たとえばガーナの「ハイライフ」、コンゴの「ルンバ・コンゴレーズ」、エチオピアの「エチオ・ジャズ」、北アフリカの「グナワ」なども聞くようになった。


そのいずれの音楽も素晴らしく、次第にラテン音楽にも手を伸ばすようになる。


こうした音楽を聞きながら思ったことは、自分のなかで気持ちいいと感じる重要なポイントは「リズム」にあるということだ。


当然ながらこの点は、「積み木」においてもとても意識している(実現しているかは別問題)。


フェラ・クティのアフロビートをきっかけに、僕の音楽観は大きく広がった。

そして今もワールドミュージックへの興味は尽きず、音楽の旅は続く。それは深くも楽しい至福の時だ。


フェラ・クティなどについて書きたいことはまだまだあるが、とりあえずはこのあたりで。

それではまた!



蔵枡卓史
Vocal, Guitar


※参考文献:世界は音楽でできている[中南米・北米・アフリカ編]、北中正和監修、音楽出版社、2007年